15歳の春に志望高校に合格した凜(りん)さんは17歳となり、高校3年生の秋に有名地方大学医学部の総合型推薦(旧AO)入試を受けることにしました。この大学は土佐赤牛にゆずの皮を餌として与えたブランド牛「ゆずだっこ」の研究開発に携わっています。それだけに、油脂や高級脂肪酸に関してはしっかり対策をしておきたいところですね。 Hopeful(希望いっぱい)だった15歳の春。 H(水素)飽和脂肪酸 C15H31COOH パルミチン酸 吹奏楽への期待は捨てや凛さん、17最後の秋。 水素の気体 ステアリン酸 C17H35COOH ↓ -H₂ 不法は死亡さ、オレオレ詐欺。 不飽和脂肪酸 オレイン酸 C17H33COOH ↓ -H₂ 利のある闇バイトには、 リノール酸 C17H31COOH は分子量280 ↓ -H₂ やっぱり乗れんさ。 リノレン酸 C17H29COOH PR |
中1生の皆さん、もうすぐ中学校に入ってから最初の中間テストになります。テスト対策は早目に計画的にやっておきましょう。 1学期といえば、理科では「花のつくりとはたらき」について学んでいると思います。 花には、おしべ、めしべ、花弁、がくがあり、めしべの先端部を柱頭、下のふくらんでいる部分を子房と言います。子房の中には胚珠という小さな粒が見られます。おしべの先端部には葯(やく)という小さな袋があり、その中に花粉が入っています。花弁は、花によって色や形がさまざまで、アブラナのように花弁が1枚1枚はなれている花を「離弁花」、ツツジのように花弁がひとつにくっついている花を「合弁花」といいます。
花を咲かせ、種をつくる植物をまとめて種子植物と言います。そのうち、胚珠が子房に包まれている植物を「被子植物」、子房がなく胚珠がむき出しになっている植物を「裸子植物」といいます。この分類は知っているかもしれませんが、念のため覚え方を教えておきます。 「生存競争で種子植物のなかまは必死らしい」 被子(ひし)裸子(らし) 子孫を残すためには、めしべの柱頭に花粉がつく(受粉する)必要があります。受粉すると、胚珠が種子となり、子房がふくらんで果実ができます。この辺りはテストにもよく出されますので、しっかり覚えましょう。 どっちがどっちだったか忘れたときには、しりとりをしてみましょう。 「はいしゅ→しゅし→しぼう→う、う、う……熟れた果実」 アブラナやツツジのように大きな花はさきませんが、マツにも花がさきます。マツの花には雌花と雄花があり、花弁やがくはありません。雌花は子房がなく胚珠はむき出しになっており、雄花の花粉が雌花の胚珠につくと、胚珠は種子となりますが、子房がないので果実はできません。コブクロの曲『桜』の歌詞に「実のならない花も……♪」とあります。あれは実は裸子植物のことを歌っていたんですね。裸子植物のなかまにはマツ以外にもスギやイチョウ、ソテツなどがあります。 |
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12月22日、今日は冬期特別授業なので、いつもと違う話をしてみましょう。タイトルにもある「科学的思考とは?」という内容です。大学入試センター試験が共通テストに変わり、思考力を問う問題が出題されるようになってきました。そこでいくつかの質問に答えてもらいましょう。 Q1.今日は何の日でしょう? よく見ると、上の図の中に答えが書かれています。そう、冬至の日ですね。昼が最も短くなる日です。ところで、2学期の期末テストの結果はどうでしたか。成績がいま一歩だった人も、この日を境に昼が長くなっていくように、成績もV字回復を目指していきましょう。 さて、次の質問です。 Q2.縄文人はカレンダーを持っていたでしょうか? どちらかに手を上げてみてください。カレンダーを持っていたと思う人? 何人かいますね。……それでは、持っていなかったと思う人? 自信はなさそうですが、さっきより増えました。持っていなかったという人のほうが多いようですね。多数決で、持っていなかったという結論でいいですか。 えっ、いけない。そう、いけませんね。なぜなら、真理は多数決によって決めることはできないからです。では、どのようにして決定するのでしょうか。それは根拠を示して論証するというやり方です。これが科学的方法論というものです。 最後の質問です。 Q3.縄文人のことを知るには何を調べればよいでしょうか? そう、遺跡です。縄文人のことを知るには、縄文時代の遺跡を調べたらいいですよね。では、縄文時代を代表するのは何遺跡? 都合の悪いことは「見ない」「聞かない」「言わない」――ナイ、ナイ、ナイの三内丸山遺跡ですね。つい最近、世界文化遺産にも登録されました。
ある人が冬至の日、雪の積もる青森県の三内丸山遺跡に行って、日が沈む方角を調べました。すると、日没の瞬間、3本の柱の影がピッタリ重なったといいます。ということは、この建物は冬至の日没の方角に合わせて建てられていたことになります。 これだけなら偶然の一致とも考えられますが、お隣りの秋田県にも大湯環状列石(ストーンサークル)という、やはり縄文時代の遺跡があります。大小2つの環状列石があり、小さいほうの円の中心から大きいほうの円の中心の石柱を見た方角が、ちょうど冬至の日の出の方角に一致するというのです。 他にも、長野県のレイラインや岐阜県下呂市金山町にある金山巨石群など、冬至や夏至を意識した遺構が全国各地に見られます。すなわち、縄文時代当時の人は冬至を知っていたということですね(さり気ないダジャレに生徒もニンマリ)。 四国銀行が配っているような『トムとジェリー』のカレンダーみたいなものではないですが、建造物等を利用して季節の移り変わりを読みとっていて、その時代には「冬至の日」を1年の節目としていたのではないでしょうか。 12月下旬にもかかわらず、この日の「冬至スペシャル授業」は冒頭から汗が流れるような熱い授業となった。 |
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「先生、万有引力って何ですか?」
ところで、万有引力の公式を見ると、力の大きさは距離の二乗に反比例することが分かります。距離が2倍、3倍……になると、力は2×2=4分の1倍、3×3=9分の1倍……というようにです。一説によると、学習効果も先生との距離の二乗に反比例するとも言われます。だから前に座ったほうがいいという話です。 「一番後ろに座っている人、もっと前に来ませんか?」 「いえ、大丈夫です。心の距離は近いですから……」 |
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12月21日、今日は何の日か知っていますか? そう、冬至ですね。昼が最も短くなる日です。ところで、2学期の期末テストはどうでしたか。成績がいま一歩だった人も、この日を境に昼が長くなるように、成績もV字回復を目指していきましょう。 さて、質問です。縄文人はカレンダーを持っていたでしょうか? 「持っていなかったと思います」と生徒の一人が答えた。期待していた反応である。毎年この時期になると、“縄文人はカレンダーを持っていたか?”という話題を持ち出したりする。この日は休み時間の5分程度で、昔よくやった「冬至スペシャル授業」のエキスだけ話すことにした。 「縄文人のことを知るには縄文時代の遺跡を調べたらいいよね。縄文時代を代表するのは何遺跡?」 「吉野ヶ里」 「それは弥生時代ですね」 別の生徒が「三内丸山遺跡」と正解を出してくれた。三内丸山遺跡では、直径1メートルの柱跡が4.2メートル間隔で6本分見つかっています。今はそこに柱だけ立てて、巨大な建造物があったことをイメージできるようにしています。壁はないですけどね。
ある人が冬至の日(12月下旬)、雪の積もる青森県の三内丸山遺跡に行って、日が沈む方角を調べました。すると、日没の瞬間、3本の柱の影がピッタリ重なったといいます。ということは、この建物は冬至の日没の方角に合わせて建てられていたことになります。 これだけなら偶然の一致とも考えられますが、お隣りの秋田県にも大湯環状列石(ストーンサークル)という、やはり縄文時代の遺跡があります。大小2つの環状列石があり、小さいほうの円の中心から大きいほうの円の中心の石柱を見た方角がちょうど冬至の日の出の方角に一致するというのです。 他にも、長野県のレイラインや岐阜県下呂市金山町にある金山巨石群など、冬至や夏至を意識した遺構が全国各地に見られます。ということはやはり、縄文時代当時の人は冬至を知っていたようですね(さり気ないダジャレに生徒もニンマリ)。今のような紙のカレンダーはなくとも、建造物等を利用して歳月の移り変わりを読みとっていて、その頃は冬至を1年の節目としていたのではないでしょうか。 |
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台風が近づいてきていますので、皆さん気をつけて下さい。 ところで台風の渦は右巻き、左巻きのどちらでしょうか? そう、北半球では左巻きですね。なぜ左巻きになるか、その理由が分かりますか。 野球で喩えてみましょう。北極にマウンドがあると仮定して、そこからピッチャーが赤道にいるキャッチャーに向けて剛速球を投げたとします。ボールはまっすぐに飛んでいこうとするのですが、地球は反時計回りに自転しています。時間が経つにつれて、キャッチャーは東の方向へ移動していきます。相対的にボールは西の方へカーブしていくように見えます。すなわちピッチャーから見ると右側へ曲がっていくわけです。 風は気圧の高い方から低い方へ吹きます。何もなければ気圧の低い低気圧の中心に向けて等圧線を垂直に横切って風が吹き込むはずですが、北半球では自転による影響で、右寄りの力を受けて等圧線に垂直な方向からやや右にそれた向きに風が吹き込んでくるわけです。台風は熱帯低気圧が発達して中心付近の最大風速が17.2m以上になったものをいいます。よって反時計回りに風が吹き込み、左巻きの渦ができるのです。 このように北半球では右向きに引っ張られる見かけの力が生じます。これをコリオリの力と言います。この力は地球の自転による慣性力の一種なのですが、地球が自転しているというのは事実なのでしょうか。今でこそ地球が自転しているということは小学生でも知っていることですが、地球が自転していることを証明してみろと言われたら、それを相手に納得できるように示すことができますか? なかなか難しいですね。 そこで今日は地球が自転していることを証明する物語を講談風にやってみたいと思います。以前から物理の授業を、今はやりの講談風にやれたら、物理嫌いになる人もいなくなるのではないかと考えていたところです。それではお聞きください。物理講談のはじまり、はじまり。
ぜひ、講談師の神田松之丞さん(6代目神田伯山)にでも演じていただきたいですね。 |
「歩こー、歩こー、私は元気♪」 懐かしのジブリアニメ『となりのトトロ』の替え歌で「アルコール、アルコール、ヒドロキシル基♪」。何、古い? 最近の教科書では「ヒドロキシ基」と書かれているようですね。 今回は有機化合物の分野で、アルコールの分類について勉強します。 ①価数による分類 まず、ヒドロキシ基(-OH)の数による分類があります。ヒドロキシ基が1つならば1価アルコール(エタノールなど)、2つならば2価アルコール(エチレングリコールなど)、3つならば3価アルコール(グリセリンなど)と呼びます。 次に炭化水素基の数による分類があります。ヒドロキシ基(-OH)が結合しているC(炭素原子)が何個の炭化水素基と結合しているかで分類します。0~1個ならば第一級アルコール、2個ならば第二級アルコール、3個ならば第三級アルコールと呼びます。②級数による分類 第一級アルコールは二クロム酸カリウムなどにより二段階に酸化され、アルデヒドを経てカルボン酸になります。こう覚えましょう。 「一休さんか? 出家もあるで、毛を刈る坊(ぼん)さん」 第一級アルコール酸化 アルデヒド カルボン酸 そこの君、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていますね。 「授業に参加してキョトンとなるのは二級あるよ」 酸化してケトン 第二級アルコール ということで、第二級アルコールは酸化されてケトンになると覚えてください。 第三級アルコールは酸化されません。 新型コロナウイルスが流行し始めた頃、こんな話がありました。ある人が友達からカラオケに誘われ、参加するのを断ると、「そんなにコロナが怖いがかや」となじられたそうです。 友達とのお付き合いも大事ですが、勇気(有機)を持って、感謝の気持ちを表しつつ、やんわりと断りましょう。 「参加しないよ、サンキュー」 酸化しない 第三級アルコール 最後に、おまけとして鎖式炭化水素(脂肪族炭化水素)のうち飽和炭化水素アルカンの構造異性体の種類数を与える数列を紹介しておきましょう。えっ、そんなものないはずだって? まあ、当てはまるかどうか、確かめてみてください。 C1=1 2≦n≦9のとき Cn=2Cn-1―1(n≠4k) Cn=2Cn-1(n=4k) |
細胞の構造で動物細胞にも植物細胞にも共通に存在するつくりが、①核 ②細胞質 ③細胞膜です。一方、動物細胞にはなく、植物細胞にだけ見られるつくりが、④葉緑体 ⑤液胞 ⑥細胞壁です。ここで問題、④~⑥のうち、植物細胞ならば必ず存在するものは? 答えは⑥細胞壁。④葉緑体や⑤液胞は場所によっては存在しない細胞もありますよね。 ところで、核を見やすくするために使う染色液は何? 忘れた時には“セカチュー”を思い出して下さい。 「セカチューって何ですか?」 「ポケモンの仲間ではなくて、大ブームを巻き起こした恋愛映画『世界の中心で愛を叫ぶ』の略です。と言っても、君たちの世代では見たことない人がほとんどかもしれませんね」 ヒロインの名前は広瀬亜紀――オータムの秋でなく、白亜紀の亜紀。主人公の名前は萩原朔太郎から取って名付けられ、「朔ちゃん」と呼ばれています。実は今、サプライズで主人公に来てもらっています。ドアの外で待ってもらっていますから、皆さん、英語で呼んでみましょう。せーの、「朔(さく)さん、Come in!」……そう、酢酸カーミンです。映画の方は『世界の中心で愛を叫ぶ』。染色液の方は「細胞の中心で核を染める」――酢酸カーミン。これで覚えましたね。もしも忘れた時には“セカチュー”を思い出して下さい。 |
最澄と空海、どっちがどっちだったか分からなくなることはありませんか? そんな時、判別する基準を持っていたいですね。こう覚えてください。「ひえー天才、ここ真空」と。それぞれ4点セットで覚えることができます。 ひ え ー 天 才、 ところで、四国に関係が深いのは弘法大師こと空海です。私も小さい頃、香川県の満濃池は空海が造ったと習った記憶があります。瀬戸内式気候は雨が少ないので、讃岐地方ではため池が多く造られているのです。 また、四国には弘法大師による創建と伝えらる寺院も多く、様々な伝承が残っています。沓掛俊夫氏の「空海――地質家・鉱山師として」(『一般教育論集第32号』 愛知大学一般教育論集編集委員会、2007年)という論文に、真言宗の寺院の立地が中央構造線付近の水銀朱の産地と関連があるとの指摘がなされています。 どんな名人や達人でも間違えることがあるという意味の「弘法にも筆の誤り」。ではその誤った文字は何? とのクイズに対して、現役東大生の大半はあっさり正解していました。『今昔物語』に載っている話で、京都の応天門の「応」の字を間違えたというのです。弘法大師はあろうことか、「応」の字の上の点を書き忘れて、そのまま額は門に掲げられることになりました。普通は素人でもしないような凡ミスです。弘法大師、この書き忘れた点を筆を投げつけて打って、見事に直しました。現代風に言うと書道パフォーマンスのようですね。 |
「勉強は“すべき”でしょうか。それとも“するべき”でしょうか?」 日本語の使い方にブレがありますが、この場合どちらが正しいのでしょうか。生徒から「すべきです」とか「するべきだと思います」という意見が出た時には、そのまま肯定してあげましょう。 「その通り。勉強はした方がいいですね」 中にはあまのじゃくな生徒もいたりして、「どちらでもありません」などの発言もあります。そんな場合でも肯定的に受け止めて、「その通りです。しなければならないものではなく、勉強はしたくてするのが一番ですよ」。まさに、"好きこそものの上手なれ"である。 前振りが長くなってしまいましたが、今日は「方べきの定理」について勉強します。方べきの定理の「方」とは何のことでしょうか? 昔から、「水は方円の器に従う」という言葉があります。水は四角い器に入れれば四角くなるし、丸い器に入れれば丸くなるということで、自分を主張せず周りに自分を合わせて変化することができます。また、歴史の授業で「前方後円墳」が出てきたのを覚えているでしょう。円は丸い形で、方は方形すなわち四角を表します。 「べき」とは何でしょうか? 漢字では「冪」と書きます。累乗あるいは掛け合わせたものを表します。つまり「方べきの定理」とは2本の弦の交点から四方の円周上の点までの距離を掛け合わせた2組の積が等しくなるという定理です。 話は変わりますが、NHKのBSプレミアム『英雄たちの選択』で歴史家・磯田道史さんが2つの「べき論」を紹介していました。1つは過去の習慣性から来る「こうあるべき」。もう1つは「これから日本はこうあるべき」という考え方。そして過去に囚われた「こうあるべき」はいつも負けていると言及していました。 さすが歴史家だけあって鋭い洞察、いや見識というべきでしょうか? スペンサー・ジョンソン 著『チーズはどこへ消えた?』( 門田美鈴訳、扶桑社、2000年11月)を思い出してしまいました。この本は「新しい価値観を探して行動を起こすことの大切さを教えてくれる本」と評価されていますが、私たちは意識するとしないとに関わらず、多くの場合、過去からの囚われに縛られているものです。その囚われを無くすことで、思いもよらない発見ができることが多いのではないでしょうか。 最近は囲碁界でもAIが導入されました。ケイマ掛かりにコスミ付けや序盤での三々入りなど、かつてプロ棋士が「こう打つべきではない」と指導してきた手を、AIがどんどん打ち出すようになって、将棋界と同様、囲碁の定石が急速に変わってきています。 そういえば以前、似たような話を「AI将棋ボナンザが教えてくれたもの」というタイトルで書いていました。これからの私たちはどのようにあるべきなのでしょうか? |