日本一の琵琶湖を擁する滋賀県は高良神社の密集地帯でもある。当ブログでは既に2社紹介している("滋賀県の高良神社①ーー彦根市の高良塚"、"滋賀県の高良神社②ーー長浜八幡宮 境内社")が、それ以外にも複数鎮座していることが分かってきた。 とりわけ古田史学の会で注目されているのが甲良町の甲良神社(滋賀県犬上郡甲良町尼子1)である。当初は漢字表記の違いから高良神社とは似て非なるものと思い、見過ごしてしまっていたが、古田史学の会・古賀達也代表はブログ「洛中洛外日記」の中で次のように語っている。
また御由緒には次のように書かれている。
由緒によると筑後国の高良大社から主祭神が勧請されたのが天武天皇の時代より古く、後に尼子姫が宗像三女神を相殿として祭ったようである。甲良町の甲良神社は漢字表記こそ違え、九州からの勧請であることから高良神社と見なして良さそうである。どうして滋賀県に高良神社が数多く鎮座するようになったのだろうか。 近年、古田史学の会事務局長・正木裕氏によって「九州王朝系近江朝」という考えが提唱されるようになってきた。賛否両論あるようだが、琵琶湖周辺に高良神社が多く分布していることは天智天皇の近江朝廷が九州王朝系であったことを後押しする根拠となるようにも感じられる。もちろん、そこには高良神社が九州王朝の宗廟的位置づけであったとする仮説および、鎮座する高良神社の歴史がONライン(701年)以前にさかのぼれるという前提があってのことである。 研究者としてもブロガーとしても、現場を踏まずに記事を書いたり、論を展開するのは無責任であるが、コロナ禍のご時世なので、調査に行けるのがいつになるか分からない。ぜひ地元の研究者の力をお借りしたいところである。引き続き、滋賀県に鎮座する他の高良神社情報も発信していきたい。 PR |
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