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  • 2024.05
高良神社余話④ーーどう読む? 「こうら」 or 「たから」
 延喜式に筑前国(福岡県)の竈門神社のルビが「トマト」になっていたという報告(「竈門神社」は蕃茄の神社?―「延喜式」によれば―)を受け、『国史大系』延喜式を開いて調べてみた。「カマト」「カマカト」となっており、実際には濁点をつけて読むのかもしれないが、「トマト」というルビはなかった。写本による違いであろうか。あるいは原文改定がなされたものだろうか。

 それはさておき、ふと竈門神社の上段を見たら、筑後国(福岡県)の高良玉垂命神社の記載がある。ルビを確認して驚いた。現代の「こうら」読みに近く主流と考えてきた「カワラ」以外に、「タカラ」「タカワラ」「タカンラ」などもあるではないか。”高良神社余話①~③ーーどう読む? 「こうら」 or 「たから」”問題が再浮上してきた。

 これまでは故なしと思ってきた「タカラ」読みに、意外にも文献的根拠が存在していたのである。「タカンラ」という読み方も、いかにもありそうだ。「〇〇ン〇〇」の「ン」は所有格の「の」が促音化したもので、「ラ」は神様を表す接尾語と考えれば「高(タカ)の神」といったニュアンスになる。
 『伊勢神宮の向こう側』(室伏志畔著、1997年)の中でも、高良大社や月読神社が「タカガミさん」と呼ばれていることが紹介されており、現地の伝承とも通じる内容がある。もしかしたら古くは「たから」読みが存在していたという可能性も否定できなくなってきた。仮にそれが間違いであったとしても、そのような写本が存在していたという事実は尊重しなければならない。

 当たり前と思っていたことが、必ずしも根拠が確かなものとは限らない。「壹」は「臺」の誤りなりと決めつけてきた「邪馬台国」論争がそうであった。思い込みや先入観を廃して、常に謙虚に真理を探求する姿勢を持ちたいものである。


拍手[2回]

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【2022/06/04 11:26 】 | 高良神社の謎 | 有り難いご意見(2)
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有り難いご意見
無題
私も個人の古代史愛好家です。個人の考えを個人的に発信することに是非を問う必要はありません。しかし、古田武彦しの学問の方法を掲げる古田史学の会が古田武彦が述べていたことと真反対のことを主張し、これが古田武彦の学問の方法であると強弁していることには、正直腹が立ちます。古田先生はイデオロギーから出発するな、結論から出発するな。と繰り返し発言されていました。九州王朝というイデオロギーから出発するのは一元主義論者と同じことだと叱ってもいました。現、古田史学の会は古代史探究の会と名前を変えるべきだと思います。
【2023/08/09 12:44】| | 上城 誠 #19504316c6 [ 編集 ]
Re:無題
ご意見ありがとうございます。
さまざま批判があることはお聞きしています。現段階では何が正しいかなど、私には明言できかねます。

>古田武彦が述べていたことと真反対のこと

古田説と真反対というのは、「邪馬台国畿内説」や「九州王朝はなかった」とするような考え方と理解しています。

古田武彦氏の学問の方法「イデオロギーから出発するな、結論から出発するな」「論理の赴くところへ行こうではないか。たとえそれがどこであろうとも」といったことは私も尊重していますし、会員の多くは古田先生の方法論を尊重しているであろうと推察します。すべて間違っているという言い方は控えるべきであるし、個々の問題点については論証をもって正していったら良いのではないでしょうか。
【2023/08/10 11:32】


無題
ご返事ありがとうございます。色々な考え方は有って良いと思っていますが、根本が違うものを古田史学だと強弁するあり方にはNOと言うしかありません。多元の機関紙上で2回、「学問の方法」として正木34年遡上説の成り立ち得ない事を論証しましたが、それに対する応答は無いまま、それを言い続けています。それで私は失望しました。
【2023/08/11 14:46】| | 上城 誠 #19504316ba [ 編集 ]


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