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 「土佐市戸波の宮原村①」を書いた時点では旧宮原村の正確な場所をつかみきれていなかったが、新たな調査で分かったことを追記して紹介したい。
 よさこい祭りの前夜祭が行われる日、会場となる高知市内とは逆向きに車を走らせた。土佐市民図書館戸波分館――以前訪ねたときは閉館で、この日も図書館の担当職員不在で残念ながら閉まっていた。けれども2度目ということもあってか、対応して下さった男性が図書館のカギをあけてくれたのだ。臨機応変な対処に感謝である。
 郷土史関係の書籍としてはそれほどでもなかったが、宮原村を知るための資料が準備されていた。『学びの庭 戸波小学校100周年記念誌』(戸波小学校100周年記念事業実行委員会、2000年)に宮原尋常小学校のことが書かれていたのである。やはり地元のことは地元で調べてみるに限る。「戸波小の生い立ち」についてまとめられたページの明治時代、戸波村では五校時代から二校時代を経て、一村一校へと統合されていったことが書かれている。ここまでは以前紹介した通りである。

明治時代

 戸波村史によると、室町末期迄の記録は定かでないものの教育機関としては、寺院であり、僧侶により読書き、算盤を習っていたようであり古くから戸波は教育熱心なところがあったのが伺える。その後現在の戸波小学校の前身となる五校時代(資料1)を経、明治21年(1888年)二校時代(資料2)となった。さらにこの2校を合併する機運が徐々に高まり、明治31年(1898年)10月4日両校合同して戸波尋常小学校と命名するが、当初は宮原の一部の学年を家俊に移すのみで両校において存続されていた。明治32年新校舎建設に着手し同33年(1900年)6月18日、新校舎落成し、両校の職員・児童が新校舎に集い入校の式典を盛大に行い名実共に一村一校(資料3)となりこの日を開校記念と定められた。又、同(1909年)42年10月1日には現在の校章が制定された。


 とりわけ二校時代(明治21~31年)の資料2に学校の位置まで示してあった。宮原尋常小学校の住所は本村宮ヶ原911ノ2~3番地。もう一つの家俊尋常小学校は家俊窪田1282~5番地となっている。卒業生名簿を見ると毎学年約5分の1の割合で矢野姓が占めており、戸波校区において最も多いことがわかる。また校舎の所在地に関連すると思われる久保田姓は見られるが、宮原姓は見つからなかった。宮原姓は高知県では激レアなのである。ちなみに「宮原」姓については福岡県が最も多く、次いで東京都、長野県の順となっている。

 さて、現地を訪ねてみると宮原小学校の跡地が見つかった。今は民家もわずかであるが、かつては旧道に沿って飲み屋が立ち並ぶ繁華街もあったという。

 急な階段を登った鉄砲辻の上が宗像神社が鎮座する宮本。そのすぐ南がかつて宮原小学校があった宮ヶ原。そして宮原村としては波介川の対岸も含んだもう少し広範囲な地域であったようである。かつて宮ノ原には神に仕え、神楽を舞う佾(いち)が住んでいた。宮ノ原とは本来は祭祀が行なわれるような場所ではなかったのだろうか。
 少し不思議なのは、宗像神社が現在は北向き鎮座なのである。ほとんどの神社は南向きに鎮座しているもので、安芸市赤野の大元神社などを含め北向き鎮座は少ないはず。元々は宮ノ原を見下ろす南向きではなかったのだろうかと想像する。




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 大学時代に『「邪馬台国」はなかった』(古田武彦著)を読んで、夜寝られなくなりました。古代史に関心を持つようになったきっかけです。
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