9月25日に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が地上波で初放送された。2019年4月から9月に放送されたテレビアニメ『鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編』で登場した「ヒノカミ神楽」の秘密が少しは解けるかと期待していたが、「炎の呼吸」を使う鬼殺隊の炎柱・煉獄杏寿郎でさえ、まったく知らない様子だった。 煉獄杏寿郎は何の脈絡もなく、主人公・竈門炭治郎に対して、開口一番「溝口少年」と呼びかける。この場面と福岡県筑後市溝口1553の溝口竈門神社(祭神:玉依姫命)との関連性を見つけ、最初に聖地化のアドバイスを観光協会にしたのが、地域活性化コスプレイヤー・丹タキさん。その後、丹さんが属するコスプレイヤー集団『奇抜の刃』は、イベントや祭事、テレビ取材に協力しながら溝口竈門神社を鬼滅3大聖地の一つに押し上げたという。 ところで、無限列車に乗り込んだ鬼殺隊員の竈門炭治郎・我妻善逸・嘴平伊之助の3人は「かまぼこ隊」と呼ばれている。前回紹介した“『鬼滅の刃』ブームと竈門(かまど)神社⑤――高知市長浜”は、海外からも注文が殺到している禰豆子の「竹ちくわ」を製造する土佐蒲鉾(かまぼこ)本社のすぐ近くでもあり、高知県におけるプチ『鬼滅の刃』聖地として盛り上げてほしいところである。高知市観光協会にでも話を持ちかけるべきだろうか。 それはさておき、今回紹介するのは南国市野中、西福寺と道を隔てた向かいに鎮座する竈戸神社である。高知県では漢字表記が「竈門」でなく「竈戸」が主流であることはこれまでにも言及してきた通りである。神社関係の資料にも掲載されず、小さな祠であるが、境内社ではなく「竈戸神社」と書かれた扁額付きの鳥居がしっかりある。野中という地名が示すように、この場所は先だって発掘調査で法起寺式伽藍配置が確認された野中廃寺跡のすぐ北、年越山の南麓に位置する。 年越山といえば、頼朝の実弟、源希義が平家方の家人・蓮池家綱や平田俊遠らと激戦を交えた由緒ある場所とされる。源氏方夜須行家の援軍も間に合わず、無惨にも25歳の若さで斬り殺されてしまったのがこの年越山の近くだと考えられてきた。 “眠り鬼”魘夢(えんむ)と激闘。その後に登場した“上弦”と呼ばれる幹部クラスの鬼・猗窩座(あかざ)と、壮絶な死闘を繰り広げた末に若くして命を落とした鬼殺隊の炎柱・煉獄杏寿郎の姿とオーバーラップする。テレビ放送をきっかけに再燃する『鬼滅の刃』ブームに合わせて、これまで紹介した高知県のプチ『鬼滅の刃』聖地をリストアップしておく。
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