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 徳島県神社庁のホームページに掲載されているリストによると、徳島県の高良神社は徳島市に二社、三好市山城町に二社が確認できる。8月の調査で新たに山城町の二社が加わり少なくとも六社存在することが分かった。
 東の端(徳島市)と西の端(山城町)、この分布はややいびつだなと感じていたところ、空白地帯であった徳島県中央部にも高良神社が存在していたことに気づいた。かつて香川県立図書館でメモしてきたリストの中に「美馬郡脇町 高良大明神 神主 上野村 二宮出羽守」(阿波国神社御改帳)とある。

 先日、天都賀佐彦神社の調査でお世話になった美馬市ではないか。現在、脇人神社(祭神:脇人大名神、美馬市脇町大字脇町)の左境内に鎮座する高良神社がおそらく当該社であろう。徳島地方裁判所の西500m程の辺り、脇町の住宅街に鎮座する脇人神社は「脇人はん」とも呼ばれ、『阿波志』によると稲田植元(たねもと)が脇城丸の内に武田信頼・信定父子を祀るため、慶長年間に開いた神社である。
 境内由緒書きによると、「明治8年(1875⦆カドノハラから高良神社が合祀し、社殿西に小社として祭られている」とのこと。
 大河ドラマ『西郷どん』で注目される明治維新は、イギリスの名誉革命(1688年)にも並び評価される。その一方で、神仏分離や神社名変更、一元的な祭神の統一など、行き過ぎた改革もあった。その明治維新の際に神社整理された一つが美馬市の高良神社であった。かつての鎮座地や由緒など、情報が残されていれば、調べてみたいところである。

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 大学時代に『「邪馬台国」はなかった』(古田武彦著)を読んで、夜寝られなくなりました。古代史に関心を持つようになったきっかけです。
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