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 かつて南予地方に密集する若宮神社の祭神を調べるため、愛媛県の図書館まで足を運んで、『愛媛県神社誌』(愛媛県神社庁、1974年)を閲覧、コピーしてきたことがあった。高知県内にどこか置いている図書館がないだろうかと探していたが、やっと見つけることができた。
 やはり県をまたぐと、かなり祀られている神様が違っているように感じる。興味をひかれるポイントがいくつかあった。
①山城国より勧請したとされる山城神社の存在。
②瀬織津姫を祀る神社が多いこと。
③斉明天皇や天智天皇の伝承を伝える神社がある。
④明治40年代の神社合祀の跡が見られる。
 とりわけ西条市の大元神社の由緒沿革に、次のような天智天皇の土佐国朝倉への行幸伝承が書かれていたことに目がとまった。土佐国側にも天智天皇についての伝承はあるので、不思議ではないが、隣県における伝承の存在によって、より真実味を帯びてくる。

大元神社(西條市中奥千野々1−35)の由緒沿革

 天智天皇土佐国朝倉へ行幸のとき、お供九條右大臣範良郷が朝倉木の丸殿に止り、同殿を守護し、国司神主となり、代々子孫相勤め、一一代の孫従五位工藤山城守祐良の子工藤祐家が、建久年予洲山中藤合に大本大明神を山城国より勧請し、茲に居住したという。
 何はともあれ、『愛媛県神社誌』が県内で閲覧できることが分かって、愛媛県の神社に関する参照が手軽となった。また、高知市朝倉丙2100の朝倉神社にまつわる伝承についても新たな切り口が見出せた。残念ながら、香川県と徳島県の神社誌については、まだ身近なところでは目にしていない。四国4県分揃っていれば申し分ないのだが……。


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『探訪―土左の歴史』第19号 (仁淀川歴史会、2023年6月)
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 大学時代に『「邪馬台国」はなかった』(古田武彦著)を読んで、夜寝られなくなりました。古代史に関心を持つようになったきっかけです。
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