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 2017年末、県立図書館がリニューアル移転のため、半年間休館となる最後の日であった。しばらく見られなくなる『高知県神社明細帳』を閲覧させてもらうことにした。すると、小村神社の頁に、次のように記されている。
 「重遠按貞和棟札以為当社始鎮勝照二年、勝照之号不見史伝但民間雑書継体天皇以下有冗俗記号不知其誰作今姑以相当帝号易之為用明二年観者審之」

 重遠按ずるに貞和の棟札を以って当社の始鎮を勝照二年と為す。勝照之号史伝に見えず。但し民間の雑書に継体天皇以下冗俗紀号有るも、其の誰が作れるかを知らず。今姑の帝号に相当するを以って之を易(か)えるに用明二年と為す。観る者之を審(つまびらか)にせよ。(筆者、書き下し)
 同じ文章は『皆山集 第1巻』にも登場する。また、『土佐遺語』(谷秦山、一七〇八年頃成立)にも「勝照二年」の形で書かれていた。
 「小村神社棟札二枚其一曰仁治元年庚子地頭以馬允藤原忠政其一曰貞和三年丁亥地頭藤原国藤記曰當天神勝照二年影向天平寶字三年被行御舩遊重遠謂勝照之號雑書或有之未知本據又按三代実録貞観十二年三月五日丁巳授土佐国従五位下小村神従五位上」

 おそらく、これが原文通りであろうという結論に達した。九州年号「勝照二年」はやはり存在していたのである。
(続く)



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 大学時代に『「邪馬台国」はなかった』(古田武彦著)を読んで、夜寝られなくなりました。古代史に関心を持つようになったきっかけです。
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