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 2024年の青龍の年。早明浦ダムに竜がいるという情報を手がかりに、『ドラゴンクエスト』の冒険に出かけた。国道439号線沿いの道の駅「土佐さめうら」で辰年記念スタンプラリーの用紙と聞き込み情報をゲット。
 何と白髪神社の場所が地蔵寺川を渡った目と鼻の先であった。もう1つの目的であった「輪抜け様」を実施している神社である。土佐郡土佐町宮古野(みやこの)。推定樹齢300年以上という4本のスギ巨木が土佐町指定天然記念物に定められている。

 6月30日は雨模様の輪抜け様となり、茅の輪の上には雨除けがこしらえてあった。外国人らしき人もカメラを片手に参拝に来ていた。
 白髪神社は、国道に背を向けるように鎮座している。神社から見ると、国道と反対の向きに、水田内をまっすぐ参道が延びている。結果的に神社の裏口から入って、表参道に抜けることになった。一の鳥居まで行くと、社殿が数本の大杉に埋もれてしまったように見える。

 旧郷社ということで、古い歴史を持つ。宮古野の白髪神社の宮元宮司は第41代目になるとか。古文書によると白髪神社の遷座時、初代宮元左近将監は天慶五年(西暦946年)の方であり、長徳寺建立が久安五年(西暦1149年)だとすると、それよりも古いことになる。
 白髪神社を後にして、川の駅、湖の駅を経て、細い山道を慎重にドライブしながら村の駅(結の里)にたどり着く。そこで手にしたのは「辰年プレミアムカード」であった。

宮古野白髮神社
 土佐郡森村宮古野に郷社白髪神社がある。同社は同村宮古野、南泉、北泉、土居四ヶ村の總鎮守で昔は白髪大明神と稱した。これは森郷の地頭近江守の氏神であるといはれている。近江守はもと近江の人で戰國の時代流落してこの地に來り、故國の白髪山を移して白髪大明神を勧請したといふ。
 古老の傳説によると、昔土居村は長磯村といつて民家僅かに二十軒ばかりの小部落であつたが、何時の頃か、何處からともなく多くの猿どもが部落を襲って来て部落の者共を喰ひ殺して仕舞って、漸く山元に、 住つていた老翁夫妻と容貌美しいぞの一人娘と三人が生き残っていた。ある日阿波の國から一人の武士がやつて来た。即ち森近江である。彼は吉野川に沿うて獵をしながら此處へ辿りつき、この老翁に一夜の宿を申入れたが老翁は此の地は猿の來攻で一人残らず村民は喰い殺されて仕舞ひこの一家三人だけが漸くそ の惨害より免れて今日に到つたがこの先きいかにせんかと今心配して途方にくれていることを告げ、危險な土地故一刻も早く立ち去られよと斷つたが、近江は少しも意に介せず、自分は獣などは何とも思はぬから是非一宿さして呉れとて漸く老翁の許を得てゆつくり旅の疲勞を休めた。その夜果せる哉、老翁のいう通り十二頭の猿がやつて来たので平素手練の腕前、美事に十二頭を打ち取り之を長磯村の前川へ流した所それが段々流の末の阿波に至るまでに一頭づ、十二ヶ所に漂着してその所々で祟をなしたので、その十二の猿を権現と祀り十二権現の社が川筋に十二ヶ所たつている。さうした由来から土居村へ猿が出て来るのを不吉の兆と言ひ傳へてゐる。森近江は老翁の配偶として長磯村を森村と改稱した。
 一日森近江は本山鄉行見川の奥なる白髪の老翁に出遭ひ奇瑞を得てから、附近の者どもはこの白髪の老翁を崇敬し白髪山に參詣する者漸次に数を増加して来たので、森、本山、本川の村人らは右三郷の中央の森の中へ社殿を建立して白髪大明神と稱し崇敬祈祀しその所を宮古野と稱したといふ。
(參考)
 この神社に長會我部元親父子の署名した棟札が今に殘つて居る所を見ると萬更ただの隠祠でないことが判る。棟札に曰く
天正二年、大旦那秦氏元親、同千雄丸、右願主地頭茗原氏孝顏、同春松丸、神主正重福井神兵衛、北村定安、波越民部

『土佐傳説全集』(津村久茂著、昭和23年)49〜50ページより


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 大学時代に『「邪馬台国」はなかった』(古田武彦著)を読んで、夜寝られなくなりました。古代史に関心を持つようになったきっかけです。
 算数・数学・理科・社会・国語・英語など、オールラウンドの指導経験あり。郷土史やルーツ探しなど研究を続けながら、信頼できる歴史像を探究しているところです。
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